佐藤大樹

ボストンで見つけた私の進みたい道。
それは日本の良さを伝えられる仕事。

大学3年生の夏、私はボストンにいました。「社会に出る前に一度は世界を見ておきたい」。そう思った私は就職活動を休止し、8ヶ月ほどアメリカに留学したのです。留学先のボストンでは、世界各国の友だちと毎週ホームパーティーをしたり、街に遊びに行ったり、と本当に楽しい日々が続きました。でも、1つだけ、どうしても心にひっかかっていたことがあったのです。それは「誰も日本の良さを知らない」ということ。彼らが知っていることと言えば「何度もお辞儀する」などといった典型的な日本人像だけでした。日本には、魅力的なものや素晴らしいものがまだまだ沢山あるのに全く伝わっていない。どうしたら分かってもらえるんだろう。その疑問はそのまま帰国後の就職活動のテーマになりました。もっと日本に注目してもらうためにも、世界に日本をプレゼンできるような仕事ができたら…。そんなことが出来る会社を探して、見つけたのが伊藤忠ロジスティクスでした。大学で学んでいた交通工学を生かしながら、輸出入に関わり海外にも日本を伝えることができるということ。そして、若いうちから多様な仕事を任せてもらえ、さらに普段から国際的な仕事も多いこと。それが入社への決め手になったのです。

ボストンで見つけた僕の進みたい道。それは日本の良さを伝えられる仕事。

まずは食べ物から少しずつ。
日本の美味しさを世界に知ってもらう。

今、私が所属しているのは、食料物流本部の食料・プロジェクト部です。日本国内だけではなく世界各国とのやりとりをしながら食料に関わる物流業務をしています。わずか8ヶ月の間に輸入、輸出、倉庫など様々な仕事を任せてもらい、日本国内だけでなく、海外の案件も担当しているので、英語での商談のやりとりも頻繁に行っています。私が毎日取り扱っているのは、直接人の口に入るもの。だから、どんな添加物が入っているのか、製造過程に不自然なところはないか、日本の検疫を通すためにもまず私自身が一つの関門となって、輸出入するものをチェックしていかなければなりません。そして何種類もの書類を用意し、検疫や税関を通すための準備をするのです。書類に不備が一つでもあれば、納期を守ることができないこともあり、気が抜けない仕事です。食料という分野に関わっていると沢山の知識が蓄積されていきます。お酒の作り方や各国の食物事情、季節に合わせた市場の動きなど、世界を巡る食料の動き、世界各国の農業事情など単に物流だけでなく、その背後に経済の動きを感じることができるのです。日本からはお酒やお菓子など、クオリティの高い日本の食べ物を輸出しています。食べ物から日本を好きになってもらえたら、と日々仕事に励んでいます。

まずは食べ物から少しずつ。日本の美味しさを世界に知ってもらう。

チリのワインが日本のコンビニに並ぶ。
あの日の自分と繋がる。

コンビニ向けチリ産ワインの輸入の仕事でした。まずはワインの原材料、そして製造過程を事細かに確認し日本に輸入できるかどうか、厳しくチェックをします。海上輸送の段取りを組み、検疫用の書類を何枚も準備し、通関を通します。さらに全国展開しているコンビニチェーンに配送できるよう陸上輸送を手配する…。期日に全国のコンビニチェーンの店先に並ぶまでに沢山の手順があるのです。その案件が無事終わり、近くのコンビニの店頭で、そのワインを手に取ったときは心の底から嬉しかったのを覚えています。はるばるチリからやってきたワインが日本の店頭に並ぶ、自分がいなかったらなし得なかったかもしれない仕事。そのとき私はあるシーンを思い出しました。それは2011年の春、地元の福島で被災したときのことです。ガソリンはもちろん水すら手に入らない状況。地元のコンビニは何日も棚がぽっかりとあいたままでした。物流が機能しなかったことで、沢山の人が苦しみ、今までの生活を変えなければならなくなったのです。それが今、私は担当する商品を店の棚へ届けることができている。誰かの手につなぐことができている。大切でありふれた「当たり前」のシーンを作っている。そう思えた出来事でした。

MESSAGE

MESSAGE 食料・食品物流本部 食料物流部
佐藤大樹(2016年入社)

いずれは私も社内の中心的な役割を担うことになります。実務の中心メンバーとして「誰もやっていないことを、佐藤がやった」と言われるよう食料品の市場を見ながら、新しいビジネスを見つけていきたいと思います。多くのことに精通し、自分ひとりで仕事ができるようになったら、海外への駐在を経験したい、と密かに思っています。